『小鳥の贈りもの』
ピルッコ・ヴァイニーオ 作
山川紘矢・山川亜希子 訳
アノニマ・スタジオ
こんにちは。久保です。
少し遅いご報告ですが、
年始にフィンランドの首都ヘルシンキを旅してきました。
ヘルシンキといえば、日本では映画『かもめ食堂』の舞台として有名ですね。
あの映画のように、ゆったりとスロウな雰囲気をイメージして
暖冬の日本から9時間のフライト。
空港に降り立ってみましたら、こんな風景でした。
『かもめ食堂』に映っているヘルシンキは夏でしたが
年末年始は「冬」ですもんね(笑)
ずいぶんとイメージが違います。
しかも氷点下!
『かもめ食堂』の冒頭に映る、さわやかな港のカモメたちも・・・
凍えそうなカモメたちは、まるで「津軽海峡冬景色」でした・・・。
そんな冬本番のヘルシンキで「あたたかいな」と感じたものが2つあります。
まず、一つは、市場で食べた「あったかい」スープ。
具だくさんで、大きなどんぶり(?)に入ったスープは、
まるで日本のラーメンのよう。
パンもついているから、この一杯で結構、お腹いっぱいになります。
そしてもう一つ、それは道を歩いていた時のこと。
ヘルシンキでは、比較的交通量が多い道路でも
信号がない交差点が少なくありません。
「どうやって渡るんだろう?」と恐る恐る交差点に近づくと
なんと、どのクルマもピタッとそこで停まってくれるんです。
日本だと、人がいても、スピードを出して我先にってクルマが多い気がしますが
どの車線のクルマも、自分のためだけに、停まってくれるなんてビックリ!
「なんて(心が)あたたかい国なんだ!」と感動しました。
さて、ずいぶんと脱線しましたが、
今回ご紹介する絵本は、そんなフィンランド・ヘルシンキ生まれの
イラストレーターの作品です。
3月といえば、卒業や引越しなど、新しい旅立ちの季節です。
旅立つ前は誰でも不安でいっぱいのはず。
そんな時に、贈り物にピッタリの絵本をご紹介します。
「きっと飛べます!」という帯のコピーも印象的です。
この絵本は、飛び立とうとする小鳥のもがく姿にのせて
「何かを新しく始める人」に向けて、
やさしいメッセージを伝えてくれます。
思い出してみましょう
。 進学、就職、結婚、引越・・・
新しい環境にチャレンジした時の
最初のあの苦しかった日々を。
転んだり、
泣いたり、
迷ったり、
臆病になったり、
人に頼ったり、
もっと自由が欲しかったり、
疲れて休んだり、
自信がついたと感じたり、
落ち込んだり・・・
誰もが新しいスタートで感じる一歩一歩を
この小鳥くんの奮闘が表現していきます。
ページをめくるごとに、この小鳥くんが、自分のようでもあり、
心配する誰かでもあり、友達のように感じていきます。
そう。不安な心を「あたたかく」包んでくれる。
そんな絵本なのです。
ぼくがヘルシンキで感じた「あたたかさ」に通じる
そんな絵本でした。
小鳥からのそんな「贈りもの」の絵本。
新しい旅立ちを迎える方に贈ってもいいし
チャレンジする自分を励ますプレゼントにもおすすめです。
もちろん、心を休めるインテリアにも。
素敵な絵本といっしょに、一歩ずつ前に進みましょう。
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