Aug 01, 2017 絵本コラム

[絵本26]旅に出よう! 絵本の中へ

『きっとみずのそば』
石津ちひろ 文
荒井良二 絵
文化出版局

すっかり夏らしくなりました。
熱帯夜も続きますね。
報道なんかによると、どうも今年は猛暑らしいですね。
熱中症に皆様お気を付けください。あれはほんと苦しいです。
そんな「熱中症対策」も兼ねまして、
私、これまで約15年、エアコンなしで暮らしてきたんですが
ついにエアコンを買いました。
「あくまで仕事部屋用ね」と言い訳をしながら・・・。

でも、エアコンなし生活も好きだったんですよね。
自然の風に触れて暮らしていると
同じ一日でもじつは、温度や風に変化があることに気づけるんです
どんなに暑い日も、夕方4時になると、さーっと窓から風が入り始めます。
あの瞬間を感じるのが好きだったんですけれどね。
でも、身の危険には替えられません!
皆様もご自愛くださいませ。

さて、夏と言えばレジャーや旅行のシーズンですが
「暑いからやだ」という方も、「暑さにやられちゃって」という方にも
「うちの子が心配だから猛暑に外出はねぇ・・」というお母さんにも
安心な旅を、今回はご紹介いたします。
それは「絵本」の中の旅です。

涼しげな表紙だと感じませんか?
(だから8月に紹介しようと、ずっと前から狙ってました)

荒井良二さんのコミカルな絵が特徴的なこの絵本。
表紙を開くと、こんな不思議なページから始まります。

あるひ うちにかえると、
ぼくにの かっている とりのワゾーが
いなくなっていた。
そして テーブルのうえには、
こんな てがみが のこされていたんだ。
きっとみずのそば

「水」のそば?
しかも「きっと」?

この暗号のような手紙を見た親子。
普通なら、どうしようかと相談したり、
近所を探したりしそうですが、
何一つ悩むことなく、
いきなり世界中へ旅立ちます!

この力強いはじまりがとっても好きです。

そして「きっとみずのそば」と思われる場所を探して
世界各地へ旅をするのです。

まず、最初に向かったのは「アマゾン川」のほとり。
ペット探しなのに、スケールがでかすぎです。

アマゾン川で乗ったカヌーが流され
なんと次は「北極」へ。
そう、そういう旅なんです。
細かいことは気にせず楽しみましょう!

そう、「北極」の氷はすべて「水」。
そうなんです。
「水」のある場所は間違いなく世界中。
世界の旅と「水」のさまざまなすがた。
それを楽しく学べる絵本だったのです。

その後も親子は
アフリカやヨーロッパ、モンゴル、インド・・・と
世界を周りながら「水のそば」を巡ります。

そして、最後には、探していた鳥にも再会して
ちょっぴりホロッとする結末を迎えます。

あっという間の世界旅行ですが
読み終わった後、どこか心の中に
さまざまな景色と、そこで流れる「水」が頭に残ることでしょう。

こんなかわいい地図も、見返し(表紙の内側)についています。

さあ、夏にお出かけする方も、インドアで過ごす方も
絵本ならではの「旅」の世界に触れてはいかがでしょうか。

Aug 01, 2017 絵本コラム