『フワフワさんは けいとやさん』 樋勝朋巳 著
福音館書店
こんにちは。久保です。
1月の広島は数十年ぶりの大雪でした。
寒い中、雪を見たくて外出しましたが
混乱する交通や街角よりも、
ぼくの興味をひいたのがあちこちで見かける「雪だるま」。
これだけたくさんの「雪だるま」を広島で見たのは初めてでした。
「せっかくの雪を楽しもう」とした人たちがたくさんいたんでしょうね。
なんだか、ほっこりとした気持ちになりました。
さて、暖かくなったり、寒くなったりと。
今年の寒波はあなどれませんね。
2月に入りましたが、まだまだ寒い日々は続きそうです。
みなさまお気を付けください。
さて、そんな冬の毎日には「ニット」が活躍します。
そういえば「ニット」っていつごろから言い始めたんですかね。
子どもの頃は「ニット帽」ではなくて「毛糸帽」って呼んでいた気がします。
「毛糸帽」と「とっくりセーター」「コールテン」のズボン…という時代が懐かしい。
街から「毛糸やさん」も見かけなくなりましたね…。
今回ご紹介する絵本の主人公は
「毛糸やさん」で働いている「フワフワ」さん。
見てください。あったかそうな「毛糸」というか「ニット」をかぶっています。
そして、今もなにかを毛糸から生み出そうと、編み物をしていますね。
さて、どんな「あったかい」お話しが待っているのでしょう。
期待して、本の表紙を開くと、こんな絵が。
いわゆる本の「見返し」という、本の強度を高めるために
紙どうしを接着するページが、たくさんの「ニット」製品でいっぱいです。
手袋、帽子、マフラー、セーター、タイツ、くつした…。
どれもカラフルであったかそう。
フワフワさんは
「毛糸」が大好きで「編み物」が得意です。
いつもフワフワしたニットを着ています。
そして「毛糸やさん」で働いています。
「毛糸やさん」には、いろんなお客さんがやってきます。
これは「インコ」のぼうしを買いにきた
お客さんのシーン。
お店のなかの「毛糸」や「商品」、
そして、お客さんも、どれもがカラフルでかわいいですね。
こんなシーンがいくつか続くので、
カラフルでリズミカルにお話しが流れていきます。
以外なのは、後半の展開です。
お店では「あみものきょうしつ」がはじまろうとしています。
ふたりのおきゃくさんが、毛糸であみものをしながら
フワフワさんのアドバイスを聞いています。
そのとき、帽子を注文していたお客さんが来店します。
できあがった帽子を試着してもらうと、
あららサイズが合わない・・・。
「すぐ なおします」
慌てて、一生懸命に帽子を修正するフワフワさん。
それを見守る生徒たち。
急なトラブルなんて
実生活では、当たり前のようによくある風景ですが
(むしろ、大人の世界はトラブルの連続ですよね^^)
「絵本」の世界で、
お話しの途中に予想外のトラブルが起こるなんて
ちょっとビックリの展開です。
そして、最後には「ほんわか」する結末が待っています。
ほんわかして、あったかい。そんなやさしい結末です。
「人を想うやさしい気持ちは、必ず伝わる」
そんなことを考えさせてくれる一冊です。
そしてまた、「はたらく」ことの一面を
子どもたちに教えてくれるお話しでもあるかもしれません。
後半の展開を、子どもたちがどう思うかも
ちょっと楽しみになる絵本だと思います。
絵も素敵ですので、
寒い日の読み聞かせに、あったかい時間をどうぞ。
追伸
年末年始は、東欧のハンガリーを旅しました。
歴史ある街並みを歩いていましたら
こんな本屋さんを見つけました。
なんと移動式古書店です。
夜になると、扉が閉まって閉店になります。
お値段は一冊120 円ぐらい(2017 年1月現在のレート)です。
日本にもこんな本屋さんがあったらなぁ。
氷点下の街角で、
ちょっとホッとする光景でした。
もちろん、たくさん本を買いました(笑)
最近の記事