
『トムテ』 リードベリ 詩
ウィーベリ 絵
やまのうちきよこ 訳
偕成社
こんにちは。久保です
いよいよ12月になりました。
慌ただしい年の瀬ですが、今年もあとひといき。
そして、誰もが楽しみなのが、やっぱりクリスマスですよね。
今回ご紹介するのは、クリスマスを題材にしたスウェーデンの絵本ですが
じつは、クリスマスといえば定番のサンタクロースは出てきません。
それは、この本が生まれた北欧の歴史に関係しています。
![[絵本]トムテ画像1](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201612-01.jpg?cmsp_timestamp=20170421172105)
サンタクロースはキリスト教のクリスマスとともに
世界に広まったキャラクターです。
その時期は、冬の折り返し地点の「冬至」。
じつは世界各国には、この冬至を祝うお祭りがもともと何種類かありました。
スウェーデンやデンマーク、ノルウェーといった北欧の国々の場合は
それは「ユール」と呼ばれていました。
北欧の国々では、ふだんから家の周りを「精霊」が守ってくれていると信じられています。
スウェーデンではその精霊を「トムテ」と呼び
デンマークやノルウェーでは「ニッセ」、フィンランドでは「トントゥ」と呼んでいます。
「ユール」の夜。この妖精に、普段の感謝を込めて食料をあげるというのが
北欧本来の習慣だったそうですが、
同じ時期のお祭り「クリスマス」と「ユール」が融合して
今では、この妖精たちが「贈り物を届けてくれる」存在だと
北欧では伝えられています。
![[絵本]トムテ画像2](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201612-02.jpg?cmsp_timestamp=20170421172121)
絵本のページをめくってみましょう。
雪に囲まれた農場を、トムテが考え事をしながら歩き回ります。
眠っている動物たち、そしてこどもたち。
![[絵本]トムテ画像3](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201612-03.jpg?cmsp_timestamp=20170421172149)
夜の美しい光で描かれる農場や部屋の光景。
赤い帽子をかぶった小さな妖精の姿に
こころがゆるやかに和みます。
じつはこの絵本、19 世紀の詩人が書いた美しい「詩」に
60 年代に絵をつけたものです。
ですから、起承転結のある「お話」ではありませんが、
文字を楽しみながら、絵の世界に入っていくという
楽しみ方をする絵本です。
なんとなく、北欧らしい、
ゆっくりとしたクリスマスの雰囲気を感じませんか?
![[絵本]トムテ画像4](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201612-04.jpg?cmsp_timestamp=20170421172158)
最じつは北欧に行くと、この写真のようなかわいい妖精の飾りをたくさん売っています。
最近は日本の雑貨屋さんでも見かけるようになりました。
今回は特別に、数年前に北欧のデンマークの商店街で見かけた
妖精たちの写真もご紹介しますね。
![[絵本]トムテ画像5](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201612-05.jpg?cmsp_timestamp=20170421172208)
本屋さんのディスプレイでスキーをする妖精。
![[絵本]トムテ画像6](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201612-06.jpg?cmsp_timestamp=20170421172220)
ちょっと大きめの、女の子のかわいい妖精たち。
]
キリスト教のクリスマスと融合した結果、
妖精たちはサンタクロースを手伝っているという解釈もあります。
このディスプレイは、働く妖精と、ソファーでくつろぐサンタになっています。
![[絵本]トムテ画像8](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201612-08.jpg?cmsp_timestamp=20170421172254)
もうすぐやってくるクリスマス。
時には、こんな絵本のページを親子でめくりながら
ゆっくりと迎えるのも楽しいと思います。
























