『クリスマスってなあに?』
ジョーン・G・ロビンソン著
こみやゆう訳
岩波書店
12月、「師走」になりました。 忙しい毎日が続く季節ですね。
何といってもお子さんが楽しみにされるのは
やはり「クリスマス」ではないでしょうか?
日本でも少しずつ広まってきていますが、
欧米では、「アドベント・クリスマス」という習慣があります。
12月に入ると、毎日ちょっとずつ、クリスマスの準備をします。
毎週、飾り付けやロウソクの数を増やしていきます。
クリスマスを迎える頃には、家の中から玄関まで
あちこちがクリスマス仕様に変わります。
また、シュトレンという日持ちのする焼菓子を
毎日、少しずつ切り分けて食べたり、
ポケットつきカレンダーに飴やチョコレートを入れて
これもまた、毎日1つずつ食べて、
近づく、クリスマスを楽しみます。
じつはクリスマスの起源は「冬至祭」。
12 月中旬は、一年で一番、昼間が短い季節です。
暗くて寒い季節を楽しく乗り切るために
クリスマスまで、「毎日をちょっとずつ楽しむ」文化が
生まれたんだそうです。
さて、そんな「アドベント・クリスマス」感覚で、
おやすみの前に、
少しずつ読み進める、クリスマスの絵本として
今回はこの絵本を選んでみました。
著者のジョーン・G・ロビンソンさんは
ジブリ映画『思い出のマーニー』の原作者としても有名です。
レトロな雰囲気の絵本ですが、じつは初版は1946年。
色数が少ないのも、カラー印刷が難しかった時代の名残でしょうね。
このレトロさが、かえってあたたかみを感じさせる絵本です。
内容は、クリスマスの成り立ちから、
クリスマスまで、当日の楽しみ方までを順を追って、
やさしく紹介しており、知的好奇心をくすぐります。
このように、名前を書く欄もあります。
プレゼントにもいいですね。
赤と黒、水色の3色だけでのイラストは
今では逆に新鮮かもしれませんね。
クリスマスまでの準備、カードづくりや飾り付けづくり、
クリスマスのスウィーツ「クリスマス・プディング」のつくりかた、
そしてみんなで楽しむお料理や、遊びの時間まで…。
時代はずいぶん変わりましたが、
クリスマスの過ごし方は、今でもそれほど変わらない
「あたたかい時間」だということが
ページから伝わってくる本です。
クリスマス向けには、素敵な絵本がたくさんあります。
本屋さんの店頭も賑やかです。
ぜひ、ページをめくりながら、楽しい時間をお過ごしください。
●お知らせ
この 12 月に「しおまち書房」から、「旅」をテーマにした
小さな本「ティータイム旅手帖」を発行します。
「旅」で何かを発見した人の「想い」を
アート作品やインタビューで表現した本です。
「おやつを食べるように、CDを聴くように、旅を楽しむ」を
コンセプトとしています。
詳しくは「しおまち書房」のサイトでご紹介していきますので
ご興味のある方はぜひご覧ください。
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