『おふろだいすき』
松岡 享子 作
林明子 絵
福音館 書店
11月になりました。
すこし前までまだまだ残暑だと思っていましたら、
急に冷え込む日があったりして油断ならぬ天候ですね。
寒暖の差にはくれぐれもお気をつけくださいませ。
さて、冬が近づいてきますと、この季節ならではの
待ち遠しいことがいくつかありますね。
まず、一つは「鍋料理」でしょうね。
湯気のたつ暖かい鍋を囲むと、心身ともにリラックスできる気がします。
そしてまた、リラックスといえばやっぱりお風呂。
温泉も、スーパー銭湯もいいのですが、我が家のお風呂だって
寒い季節ほど、なんだかうれしいものです。
でも、小さなお子さんはお風呂嫌いも少なくないですよね。
そんな「お風呂嫌い」たちが、お風呂を好きになる(という噂の)絵本。
それが今回ご紹介する『おふろだいすき』です。
ふんわかした雰囲気の絵は、
『はじめてのおつかい』などでおなじみ、
林明子さんによるもの。
泡だらけのカバという不思議な表紙に、ついつい心惹かれます。
主人公は、この男の子。
じぶんで服をぬいで、お風呂に入ります。
いっしょについていくのは
アヒルのおもちゃの「ブッカ」さん。
お湯かげんを確かめて、
まずは「ブッカ」さんが湯船につかります。
「ゆかげんはどうですか? ブッカさん」
それから、男の子もいっしょに入ります。
しっかりものの男の子は、じぶんで身体を洗います。
ゆっくりとした描写に、読者もまるでお風呂に入っているかのような
ほっこりとした雰囲気に包まれます。
でもビックリ!
なんと、湯船から、大きなカメが出てきました。
そして、ページをめくるごとに、いろいろな動物が増えていきます。
ペンギン、オットセイ、カバ・・・。
どんどん増えていく動物たち。
なんだか楽しくなっていきます。
本の感想には個人差があると思うので
この絵本でお風呂嫌いが治るかどうかはわかりませんが、
お風呂の湯気の向こうには、もしかしたら
いろんな動物が潜んでいるかもしれない。
そんな不思議な気持ちにさせてくれる絵本でした。
冷え込む日々のはじまり。
この絵本を読んだ後、ゆっくりと温まってみませんか。
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