『ポットくんのおしり』
真木文絵 文
石倉ヒロユキ 絵
福音館書店
こんにちは。久保です。
4 月を迎えました。
新生活を迎えた方も多いかもしれません。
何かと忙しい春の季節ですが
長い冬がやっと終わった「うれしさ」を感じる季節でもあります。
ぼくが何よりも春に「うれしさ」を感じるのは
我が家のベランダでささやかに育てている草花たちが
少しずつ緑に変わっていく姿を見る時です。
花も葉っぱも消え、すっかりと元気がないように見えた
冬の植木鉢のなかでは、じつはこっそりと春の準備が進んでいて
ある日気がつけば、小さな芽や小さな花が顔を出し、
だんだんとその数が増えていきます。
「もしかして枯れてるんじゃないかなぁ」と思っていた鉢にも
新しい緑が顔を出し、あきらめなくて良かったと感じます。
四季のうつりかわりと、小さな命の大切さ。
そして、信じて世話をする意味を
ベランダの小さなガーデニングが教えてくれるのです。
今年の春は、お正月に岡山の花屋さんで買い求めたヒヤシンスが
きれいにペアで咲いてくれました。
「寒くて枯れないのかな?」「水やりすぎちゃったかな?」と
悩む中年ベランダーの心配をよそに、
こんな姿を見せてくれました。
さてさて、そんなガーデニングは
お子さんが「命」や「四季」に触れる
小さな一歩にもなると思います。
そこで今月は、ガーデニングの世界を描いた、
かわいい絵本をご紹介しましょう。
主人公は、植木鉢の「ポットくん」です。
ポットくんは、おしりに穴が開いています。
植木鉢の下って、小さな穴が開いてますよね? あれのことです。
なぜ、おしりに穴があいているんだろう?
不思議に思ったポットくん。
出逢う人々(というかモノや植物)になぜなぜと聞きます。
水やりの「ジョウロさん」に、土のなかの「ミミズくん」、
土を掘る「シャベルじいさん」に出逢って
それぞれの役目や
花だんの仕組みを
ポットくんは教えてもらいます。
そして、花だんの隅でしくしくと泣いている
迷子のヒヤシンスちゃん(の球根)に
出逢うのです。
じぶんの植木鉢としての役目を知ったポットくんは
このヒヤシンスちゃんと助けようと、思いつきます。
ポットくんは土をじぶんの中に入れてもらい
ヒヤシンスちゃんをその中に入れます。
そして・・・。
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「ポットひとつあれば、小さな種をまくことができる」
この絵本の作者のご夫婦による「あとがき」には、
そんなメッセージが込められていました。
小さなお子さんでも、花だんやガーデニングの仕組みを
学ぶことができる、そんなかわいい一冊です。
絵本と一緒に小さなポットくん(植木鉢)を用意して
ご家族で一緒に、植物の成長を楽しむのもよいでしょう。
植物を通して、四季の変化を感じることで
毎日はちょっぴり楽しくなりますよ。
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