Jun 29, 2015 絵本コラム

[絵本1]大人から子どもまで、小さなライオンが支えてくれる

『ラチとらいおん』
マレーク・ベロニカ著
とくながやすもと訳
福音館書店(4さいから)

[絵本]ラチとらいおん画像1

はじめまして! 久保と申します。
このコーナーで絵本紹介を担当させていただくことになりました。
どうぞ、よろしくお願いします。

現在、ぼくは絵本のセレクト販売を手がけています。
でも、子どもの頃から絵本が好きだったわけではありません。
むしろ、小さい頃は、文字がたくさんある本にあこがれて
ちょっと背伸びをしていました。

そんなぼくが、絵本にハマったきっかけは、
広告やデザインの仕事をしていた 30代の多忙な時期。
ふと書店で目に止まった、小さな黒い絵本。
それが、この『ラチとらいおん』でした。
ヨーロッパの東側、ハンガリー生まれの絵本です。
東欧的なものにあこがれ、雑貨や本などを探していた時期でした。

パラパラとページをめくりました。
主人公は小さな少年のラチくん。

将来の夢は飛行機のパイロットになること。
なのに、とっても弱虫で、暗い場所も、吠える犬も苦手。

そんなラチくんのもとに、小さな赤いライオンがやってきます。
ライオンに勇気づけられ、だんだん強くなるラチくん。
そして、ある日、盗まれたボールを追いかけるうちに
ライオンとはなればなれになって・・・。

[絵本]ラチとらいおん画像2

仲間(=ライオン)と過ごすことで、少しずつ強くなる主人公。
その姿に感動して、涙腺が崩壊寸前・・・。すぐに購入して帰りました。

だれもがいつかは一人で生きていくもの。
そのために、強くなるために、家族や友人やあるいは同僚は
支え合って、おたがいがんばろうとするんだと、
この本が持つ優しいメッセージに、こころ打たれたのです。

そして、この経験をきっかけに「絵本には、人生を動かす何かがある」
ぼくはそう感じ、絵本を探して読むようになります。

多くの絵本は、お子さん向けのようでいて、それを読み聞かせる
お母さん・お父さんに向けたメッセージも込められています。
お話がシンプルなだからこそ、胸に迫る何かがあるんだと思います。
そんな絵本の魅力気づいた一冊でした。

[絵本]ラチとらいおん画像3

絵本ってインテリアにもいいですよね。
この『ラチとライオン』は小さなサイズで、絵本の表紙を見せて飾るのにも最適。
絵本棚や、キッチンなどに飾っておくと
くじけそうな時にも、きっと見守ってくれる存在になるのかも。

Jun 29, 2015 絵本コラム