Jan 29, 2019 絵本コラム

[絵本コラム]おしっこちょっぴりもれたろう

『おしっこちょっぴりもれたろう』
ヨシタケシンスケ  著・イラスト
PHP研究所

 

こんにちは!
絵本のある暮らしを提案する月刊誌「MOE」の絵本やさん大賞が発表されました。
一位はヨシタケシンスケさんの「おしっこちょっぴりもれたろう」でございました。

 

ドンドンドンパフパフパフ〜

 

もう1月も終わってしまいますが、今月ご紹介する絵本は絵本やさん大賞堂々の第1位 ヨシタケシンスケさんの「おしっこちょっぴりもれたろう」です。

 

先日Instagramの方で、ヨシタケシンスケさんの「このあとどうしちゃおう」について熱く語ってしまったばかりなんですが、すっかりヨシタケシンスケファンの私は、こちらでも熱く語っちゃいます。

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ほぼ日で、ヨシタケさんと糸井重里さんとの対談「逃げつづけてきました」を読みましたが、この面白い絵本にこの方の生き様あり!という感じでヨシタケさんを好きになるとともに生き方に共感してしまいました。

ずっと「どうすれば怒られないか」ばかりを
ものすごく考えてきたんです

 

誰しも怒られたくないもんで、少なからずこいう気持ちってあると思うんですが
怒られないよう「逃げる」ことはできても「逃げ続ける」って結構大変で、、、

 

みんなどこかで「逃げる」ことをやめてしまうけど、ヨシタケさんは「逃げ続けた人」らしいのです。
そんな時の「言い訳」とか「負け惜しみと」とか「屁理屈」がヨシタケさんワールドの面白みになっていると思います。

 

でも、わかりますわ〜、さんざん逃げといてそれを正当化してしまう自分www

 

でも、その言い訳も嘘ではないし、発送の転換というか、ユーモアのエッセンスを盛り込んでいれば

なんだか笑えるし、それで怒るのもちょっとちがう。。。的な。

 

イラストは小さく描いて拡大、勝ち目の無いことはしないタイプ

 

ヨシタケさんは絵本作家には珍しく、小さいイラストを描いてそれを拡大して絵本にしておられるのですが、この「小さい絵」を描くようになった理由がまた独特です。

 

大学卒業後、半年だけ社会人をしていたときにストレスがたまりすぎて愚痴のようなイラストを描いていたそうです。

 

サッと手で隠せるよう小さいサイズで。今ではそれが一番描きやすいサイズになったそうです。思わず「子どもかっ」と言いたくなるような理由ですよね。

 

そして、またこれも驚いたのですが、絵本の色はデザイナーさんにお任せしているとか。

 

色のセンスが無く、2色以上の色をつけることができないそうです(笑)勝ち目の無いことはやる気がしないので色の勉強をするくらいなら「その時間に自分の持ってるものを磨く方がいい」ということだそうです。

 

違う視点でみるということを教えてくれる「おしっこちょっぴりもれたろう」

 

そんな、独特の世界観をもつヨシタケさんの絵本は何度もこの絵本やさん大賞を受賞されていますが、今回1位の「おしっこちょっぴりもれたろう」は、タイトルからして子どもが好きそう!

 

いつもちょっぴりおしっこがもれてしまって、おかあさんに怒られてしまう「もれたろう」。

 

でも、ズボンをはけば誰にもわからないし、時間が経てば乾くことも知ってる。

 

周りから見たら、僕が「もれたろう」ってことは誰にも知られていない。

 

ってことは、実はこの世の中には自分と同じ「もれたろう」っているんじゃないの?

 

という疑問を持ち、おしっこが乾くまで散歩にでるというお話。

 

そこで出会ったのは、実は服のタグがチクチクしている子や、靴下が靴の中で丸まってしまう子や、
食べかすが歯にはさまったまま取れない子など、実は悩みを抱えた子たち。

 

みんな悩んでるし、大したことじゃない!

 

「もれたろう」の悩みは、乾けばわからなくなるような悩みだったりするし、悩みを持ってるのは自分だけじゃない。
それは外からみてもわからなかったりする。

 

世の中で不幸なのは自分だけだと思っていたけど、案外みんな同じなのかもしれない。。。

 

そんな私も、今お腹が1分おきに激痛に襲われているけど誰にも気づかれていない。
今朝作ったお弁当を持ってくるのを忘れてきたことだって、誰も知らない。

 

この世で自分だけが悩みを抱えていると思うと落ち込んでしまうけど、みんな秘密や悩みを抱えているんだと思うとなんだか安心してちょっぴり元気になれる。

 

そんな、悩める子羊ちゃんたちの強い味方になってくれる絵本です。

 

親からしたら、そりゃあ、おしっこはもらしてほしくはないんだけど、おしっこをもらしたくらいでくよくよもしてほしくないw

 

だから、この絵本を読んで気づいてほしい。

ただでおしっこをもらすなんてもったいない!おしっこをもらしたら何かを学ぶチャンスだってこと。

そしてそんなママだっていつか「もれたろう」になる可能性をはらみながらも「もれたろう」を叱ることはちょっぴりつらいんだってこと。

 

「おしっこがもれる」という誰しも経験する小さな悩みは、周りの人を気遣うきっかけになり

いつか年をとって、また自分の「もれたろう」にであうとき、笑って受け入れられる人になりたいと思う今日このごろです。

 

1月の絵本プレゼント

「おしっこちょっぴりもれたろう」を1名様に

応募期間 2019年2月28日(木)まで

応募方法 応募は閉め切らせていただきました。
たくさんのご応募ありがとうございました。

Jan 29, 2019 絵本コラム