【モノを大切に、自分らしく暮らす】木の雛人形・五月人形 [人と木]

手づくり絵本棚 人と木の絵本紹介「ポットくんのおしり」

[絵本⑩]四季の楽しさを教えてくれるポットくん。

2016年4月1日(金)

『ポットくんのおしり』
真木文絵 文
石倉ヒロユキ 絵
福音館書店

[絵本]ポットくんのおしり画像1

こんにちは。久保です。

4 月を迎えました。
新生活を迎えた方も多いかもしれません。
何かと忙しい春の季節ですが
長い冬がやっと終わった「うれしさ」を感じる季節でもあります。

ぼくが何よりも春に「うれしさ」を感じるのは
我が家のベランダでささやかに育てている草花たちが
少しずつ緑に変わっていく姿を見る時です。

花も葉っぱも消え、すっかりと元気がないように見えた
冬の植木鉢のなかでは、じつはこっそりと春の準備が進んでいて
ある日気がつけば、小さな芽や小さな花が顔を出し、
だんだんとその数が増えていきます。

「もしかして枯れてるんじゃないかなぁ」と思っていた鉢にも
新しい緑が顔を出し、あきらめなくて良かったと感じます。

四季のうつりかわりと、小さな命の大切さ。
そして、信じて世話をする意味を
ベランダの小さなガーデニングが教えてくれるのです。


今年の春は、お正月に岡山の花屋さんで買い求めたヒヤシンスが
きれいにペアで咲いてくれました。
「寒くて枯れないのかな?」「水やりすぎちゃったかな?」と
悩む中年ベランダーの心配をよそに、
こんな姿を見せてくれました。


[絵本]ポットくんのおしり画像1

さてさて、そんなガーデニングは
お子さんが「命」や「四季」に触れる
小さな一歩にもなると思います。

そこで今月は、ガーデニングの世界を描いた、
かわいい絵本をご紹介しましょう。


[絵本]ポットくんのおしり画像1

主人公は、植木鉢の「ポットくん」です。

ポットくんは、おしりに穴が開いています。
植木鉢の下って、小さな穴が開いてますよね? あれのことです。

なぜ、おしりに穴があいているんだろう?
不思議に思ったポットくん。
出逢う人々(というかモノや植物)になぜなぜと聞きます。

水やりの「ジョウロさん」に、土のなかの「ミミズくん」、
土を掘る「シャベルじいさん」に出逢って
それぞれの役目や
花だんの仕組みを
ポットくんは教えてもらいます。

そして、花だんの隅でしくしくと泣いている
迷子のヒヤシンスちゃん(の球根)に
出逢うのです。


[絵本]ポットくんのおしり画像1

じぶんの植木鉢としての役目を知ったポットくんは
このヒヤシンスちゃんと助けようと、思いつきます。
ポットくんは土をじぶんの中に入れてもらい
ヒヤシンスちゃんをその中に入れます。
そして・・・。


[絵本]ポットくんのおしり画像1

「ポットひとつあれば、小さな種をまくことができる」
この絵本の作者のご夫婦による「あとがき」には、
そんなメッセージが込められていました。

小さなお子さんでも、花だんやガーデニングの仕組みを
学ぶことができる、そんなかわいい一冊です。

絵本と一緒に小さなポットくん(植木鉢)を用意して
ご家族で一緒に、植物の成長を楽しむのもよいでしょう。
植物を通して、四季の変化を感じることで
毎日はちょっぴり楽しくなりますよ。


[絵本]ポットくんのおしり画像1


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久保さん

久保浩志(しおまち書房)
1967年広島生まれ。大学時代に出版サークルに入部したことをきっかけに、広告やデザイ ンの世界に興味を持ち、情報出版社と印刷会社に計20年勤務。2013年より制作事務所「しおまち書房」として独立。「えほんマルシェ」のブランドで、中古絵本のセレクト販売も手がける。http://shiomachi.com/

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